2011年11月7日月曜日
映像じゃなくて、映画になった理由。
JCDN水野です。長い間、blogご無沙汰してました。
まだ紅葉するには冷えが足りない暖かい日が続いている京都ですが、いよいよ「アジール」公演は、あと12晩寝たら幕が開きます。
2010年の春からなんとなく構想が開始し、2年越しで作品制作をしてきた新作の初演ですから、企画・主催者として期待と緊張が入り混じるなんともむず痒い感じです。
さて今日は、もちろん京都公演の宣伝に作品のみどころを主催の立場から紹介しようと思いたったのですが、考えてみると、はて、これ以上何を特筆すべきなのか?と自問自答してしまいました。
何故って、「アジール」については、このwebで多くの情報が既にUPされています。出演者のインタビュー、プレスリリース、昨年の京都での試演会の映像、永運院での撮影風景の写真。それからなにより、興味深いのは、作品の作・演出である飯名さんの作品制作の発想や制作過程エッセイや、試行錯誤の悩みまで...etc。いやはや、結構な情報量が満載の完璧に近いWEBですよ。これも、作者である飯名さんが、こまめに迅速にwebケアをしてくれているからなんですが。感謝感謝。
というわけで、今回は、まあ、裏技ならぬ裏アジールの見方というんですか、私的概念と偏見が入り混じったものとなると思いますが、公演を観に来ていただく足がかりになればと思います。しばしお付き合いを。
まずは、なんと言っても作品中に上映される映像、というか”映画=ムービー”ですね。
そもそも今回は鳴り物入りで始まった新シリーズ、<MOVIE>が加わりDANCE×MUSIC×MOVIE!となりました。この<MOVIE!>という言葉。いまでこそ慣れましたけど、最初、勇気いりましたよ。ムービー、映画というほど大それた言い方を堂々としていいのか?という。
ダンス作品の中で流すのは、せいぜい、<ビデオダンス>とか、<映像>だろうと。しかも、なんかピコピコ、ジージー、しているアートっぽいノイズ系、おしゃれ系ジデタル映像というのが、ダンスとやる映像の常識、メディアアートだい、みないなことにどうもなっているようで。
まあ、こんなこというと怒られそうですが、これがまた、ほとんどつまんないというか、眠くなるというか、結局、何をやりたいねん!と言いたくなるようなものが多い。テクニックをみせる、しかーし、作品として何なのかよくわからん、というやつです。
そして飯名さんという人は、「Dance and Media Japan」というその映像の最先端みたいなことを専門にしている人だから、そういうのをやる人なんじゃないか、と思っていたわけです。が、これが真っ向から×だった。むしろ、そういうことと間逆をいっている人だということが、2年くらい付き合ってわかっていった暁に、というか、わかったから、これをやってみませんか?という流れになったのでした。そうそうシリーズの名前を決めるとき、「ムービーと堂々と言いきったほうがいいですよ、水野さん。」と背中をドーンと押された形で、やったるわい!とムービーになったのでした。
美術館やアートスペースとかで、映像とオブジェとか、映像と音楽、とか、たまにはダンスというのもあるが、ああいう見せ方は、時間軸が縦にあるのではなくて、時間が永遠にループしてる見せ方。開演と終演がある「上演」という形でみせる映像の求められる質と使命は異なるはずだ。今回のみどころは、まさにそこにあるわけで、しかもストーリ性がはっきりある今回の作品「アジール」。その中で映画の持つ役割をどうみせるのか?を映像作家であり、作品の作・演出も担う飯名さんの見せ所となります。
京都の街や寺、庭、スタジオで、何シーンか寺田みさこさんを撮影をしてきました。そういえば、公演3日前にもまだ追加撮影するそうです。何やらシュールなシーンなんです。ネタばれするから内緒ですけどね。
飯名さんは、パッっと撮るんですよ。何にも考えてないみたいに、いきなり撮る。えー大丈夫かなーと思うくらいに、明るさとか、照明の具合とか、アングルとか、なんかあんまりこだわってないみたいに撮る。で、「軽くこっちからも撮っときますか。」と呟いて「はい、撮りまーす。」と言って、またサッと撮る。で、すぐ終る。大丈夫かなーと思うと、これがまた、へーっと思うように、よく考えられているアングルで編集されている。つまり、飯名マジックだな、と。
ピコピコ、ジージーの意味のない映像じゃなくて、映画になっていいる。で、これがダンス映画になっているようにみえるのは、私だけかな。映像の中のみさこさんは、ダンスをしているわけではない。が、何故かきっとダンス映画とはこういうものなんだな、という感じがするから不思議だ。ダンスしているだけがダンスじゃない、ってダンスの大家先生が言うような、まさにそんな感じかな。
というわけで、この飯名マジックのデジタルアートじゃない、映画を是非、観に来て感想を聞かせてください。ダンス映画にみえるかどうか、おしえてほしいなあ。あ、デジタルアートじゃない、っていうとテクニックないみたいですけど、ハイビジョン撮影で、みえないテクニックすごい使用している、ようです。映画、凝ってます、何かと。お寺の障子にドーンと4面に出ますから。いまどき、映画館に行っても、家で大きなTV持ってる人は、小さいなあ、と思う時代ですが、障子4面10mの大画面ですからね。しかも本格派ダンスムービー。なんかすごいですよ。
次の見所を書こうと思ったら、長くなったので次回にします。
次はネオアングラです。