text by IINA
ダンスを観てると、ほとんどのダンスがカウントで作られている、と感じる。
なんのカウントかというと、音楽のカウントなわけで、まず音楽を決めてそれに合わせて振付しているんだな、と。
それが悪いわけではない。
のだけど、そこで考えないといけないのは、「カウント/リズム/タイム/グルーヴ」である。
カウントを数えて振付を音の頭にあわせていくと、実はリズム感というものが感じにくい。もっと重要なのは、タイム感がない、ということ。
タイム感がないと、グルーヴが薄くなる。
最終的にはやはりダンスのグルーヴが観たい、と思う。
タイム感で踊るダンスといえば、ベジャールの『ボレロ』。
ジョルジュ・ドンのタイム感がすごい。
音よりも後に動きがくる「後乗り」のリズム感。ジャンプしようが、なにしようがタイム感がばっちりにきっちり戻してくる。
これを徹底してやることで『ボレロ』が昇天していくわけだ。
「後乗り」は最後まで徹底して「後乗り」にしないといけない。途中で「前乗り」になったりすると全体のタイム感を失う。つまり「後乗り」を試みているのに、観ている側からすると「もたっとしてて、気持ち悪い」と感じられてしまう。「後乗り」をキープすることがポイントになる。
タイム感のないダンサーが『ボレロ』をやると、非常に痛いことになる。
『ボレロ』がすごく焦って聞こえる。軽く聞こえる。
カウントで動きを乗せていくとどうなるかというと、リズムの頭だけがあっていて、フレーズのケツの粒が揃わない。だから一定のグルーヴを生まない慌ただしいだけの踊りになる。
タイム感を身につけるには、楽曲のベースラインを聴き取ることなんじゃないかと思う。
ドラム=リズム、だと思っていると、ドラムのリズムに合わせて頭のカウントを捉えることに集中するわけで、これがいかん。
ベースラインのうねりを捉えて、楽曲のベースラインの倍のスローテンポで動きを入れていくと、急にグルーヴが見えてくるはず。